「秋春はまだかね」「おじいちゃんこの間ポシャったばかりでしょ〜?はいお薬ね〜」
全国高校サッカー選手権大会決勝、稀に見る首都圏大雪で延期になりましたね(時候の挨拶)
タイミング考えてんのか考えてないのか、なんかまた秋春がどうのと言っておられる
馬鹿もとい頭の不自由な方もとい「戦略検討会議」の方々がいらっしゃるようです。
毎度毎度何の実現性も無いまま秋春ガー言ってる、
俺から見れば一種の病気、疾患を持った方が楽しそうに大活躍中との事で、
これはこれでオフシーズンの名物感すらあります。
で、この話が出る度にいちいち反応しなきゃいけねぇのは大変面倒なので、
今のところ想定されてる問答を整理したいと思った次第です。
◆前提条件
1.試合数は不変(J1:リーグ戦34試合+ナビスコorACL6試合の計40試合 J2:リーグ戦42試合)
2.天皇杯は継続する。
3.国際Aマッチ月間(欧州リーグのオフ)である6月にはシーズンを終了する。
4.ウインターブレイクは1,2月とする。
5.前提1と2から、開催時期は9ヶ月を確保しなければならない。
前提3を満たすべく5月一杯でシーズンを終えるならば、7月頭にシーズンが開幕する必要がある。
→秋春を実施する場合の現実的なシーズン期間は「7月開幕、5月末閉幕」となる。
※水曜開催増やして7月半ばに開幕するとして、シーズンオフが1ヶ月半、
ウインターブレイクが丸2ヶ月という逆転現象を引き起こす事になる。
◆秋春のメリットとされるものへの考え
「海外とシーズンオフが共通するので移籍が盛んになるよ」
→既に海外移籍は盛んである。A代表級は勿論、A代表外の海外移籍者も多数存在している。
また、国内の五輪代表級以上の一流選手であれば、夏季の(Jリーグ的にはシーズン中の)移籍を
事実上容認する動きも既に存在しており、現行のシーズン制で移籍の障壁は無いとも言える。
※仮に7月頭に開催される場合、欧州リーグとはひと月以上前にズレる為、
移籍に関しては寧ろ障壁となりはしないか。
「冬の間は選手がよく走れるから質の高いサッカーが見られるよ」
→ウインターブレイクを導入する事により、秋春制に移行したところで
現行(3月頭開幕〜12月頭閉幕)の試合開催時期と変わらない為、
「冬にサッカーをやると質が高いプレーが期待できる」という状況が成立しない。
また、冬にプレーの質が高くなる。という論の根拠が解らないのでそもそも議論が成立しない。
「夏の開催は選手が大変だ」
→ウインターブレイクを施行する事で試合開催時期は現行の春秋と同じになる。
結局盛夏の開催は避けられない。
◆秋春開催により予測されるデメリットについての考え
Q.降雪地域のクラブでは降雪時にどうやって開催するんですか?
A.降雪時期は開催しません。
→12月終わりや3月始めに大降雪があった場合、現行のスタジアム施設では開催が不可能である。
→自前のスタジアムを持つ降雪地域クラブは存在せず、また、降雪地域クラブの利益から考えても
降雪対策の設備投資は事実上不可能である(想定されるリスクに対して投資が見合わない)。
→秋春制自体が降雪への対策は放棄している(ウインターブレイク)為、ここを考えても仕方ない。
Q.降雪地域クラブの冬季練習場所はどうするのか?
A.屋内練習場でも用意すれば?
→Jリーグ各クラブは本当に金が無いのでそんな設備投資は賄えません。
→3年以上の赤字連続でクラブライセンスが取得出来なくなる為、コストのかかる設備は作れません。
→降雪地域の既存屋内運動施設は、冬季において利用する上での競争倍率が高く、
占有する形での確保は難しい。
→「リーグ側が金出してくれれば練習施設作らんでも無いけど、自助努力と言われると無理です」
Q.12月ともなるとめっちゃスタジアム寒いんだけど、観客どうしてればいいの?
A.席にヒーターでも埋め込んで下さい。
→そんなお金はありません。自治体にもありません。地方の窮状舐めんな。
→リーグ側が金出してくれるなら(以下略 ※それこそ投資に見合わない。
Q.スタジアムはなんとか開催するとして、降雪時のお客の移動はどうするの?
A.どうにかなるのでは?
→数年前、山形vs横浜Fマリノス戦において、横浜側のバスツアーの観客が
雪による交通規制の為大幅に遅れるという事象がありましたね。
これは3月でなく、4月の話です。
「どうにもならないね。お天気の事だから仕方ないね」では済みません。
12月中旬から終わりにかけて、特に日本海側では大雪が降る確率が高いです。
例年12月頭に開催を終了しているのでまだ何とかなってますが、
12月いっぱいの開催を全国で行うとなると、観客や選手の移動が行えないリスクが高まります。
Q.冬の間はアウェイでの開催増やせばいいと言う話をする人がいるけど不公平では?
A.ん、いや、仕方ないんじゃない?
→降雪地域のクラブ数が降雪があまり予測されない地域のクラブ数より少ない為、これは有効である。
が、過密スケジュールのシーズン半ばで、疲労が溜まってきた時期でのアウェイ連戦は
不利益の幅も大きくなるだろう。
Q.ウインターブレイクの間何してろって言うの?あとオフシーズン1ヶ月しかねぇけどキャンプは?
A.ウインターブレイクでフィジカル追い込んで、オフシーズンはオフにしとけばいいじゃん。
→契約の更新、新戦力の獲得、疲労の回復、フィジカルの準備、戦術の理解を一ヶ月でやれと?
シーズン開幕からウインターブレイクまでは戦術も未徹底な試合を行えと?
ウインターブレイクのが長いからそっちで鍛えると言うなら、それこそ現行の春秋制と同じでは?
ちなみにロシアはまさしくこうした状況らしい。
「秋春制で変わるロシア・プレミアリーグ」
さて、今シーズン(注:2012年)は、ロシア・プレミアリーグは7月20日に開幕した。だが、他のヨーロッパ諸国の開幕は8月に入ってからだ。イタリアのセリエAなどは、8月最終週の開幕になる。そして、ヨーロッパの移籍市場は8月の末までオープンになっているのである。
ということは、シーズン開幕直後でも主力が移籍してしまう可能性があるのだ。もちろん、逆にシーズン開幕後に補強もできることにはなるが、シーズン前の合宿で作り上げてきたコンビネーションは、選手の入れ替えによって微妙に狂ってくるはずだ。ロシアの各クラブの監督にしては、やりにくい状況である。そして、7月下旬に新シーズンを始めるためには、5月下旬のシーズン終了から新シーズン開幕までのオフの期間は短くせざるをえないという問題もある。この結果、オフが短くなってしまうのだ。
「秋春制にしたい」
「開催時期が現行の春秋制と同じまま、明確なメリットも期待出来ず、デメリットの発生リスクは高めておいて、ただ開幕時期だけをずらす秋春制を導入したところで、何かが劇的に変わる事は無いし、冬季における本拠地の練習場問題と交通問題が解決させられない以上はそもそもが絵空事なので、そうした主張をするのはいい加減やめて下さい」
以上