ホームでの勝ち点を求めるサポーター「人間不信に陥る」
「人間不信に陥るよ」
それまで不平不満も言わず、まじめに応援していたサポーターがある時、急に態度を変える。
応援業界における現場トラブルでよく耳にする話だ。
決してプロとしての環境が全クラブに整備されているとはいえない業界にあって、
こうしたトラブルはいま、全国で頻繁に起きている。
今回、当事者となってしまったとある地方都市のクラブ関係者も、
「話に聞いていたが、まさか自分がという思いだ」と打ち明ける。
「不平不満も言わず、まじめに減資に応じるいいやつだ」
関係者が最初に受けた印象で、何事もなく半年で降格しようとしていたが、
それまで何も言わなかったサポーターが勝ち点を取りたいと申し出てきた。
代わりの選手を用意するだけの余裕はない同クラブにとって、補強選手が怪我で離脱するのは痛手だ。
関係者は状況を説明した上で、苦肉の策として、強豪クラブに勝利することで了承を得ようと試みた。
一時はそれでしのげたが、サポーターの態度は徐々に悪化。
何かといえば不平不満を口にする。
見かねた運営が注意しても、態度は変わらない。
対応に苦慮していた時、新たな問題が起きる。
ホームでの勝ち点を要求してきたのだ。
自分達のサッカーがやりにくいと諭すと、
今度は荒れた芝生の映像を伴ってリーグへ駆け込んだ。
陸上の仕事もしていた管理運営者は、リーグからその事実を聞かされ慌てた。
後でわかったことだが、サポーターはスカパー!プレミアムサービスに加入してから、
すべての試合をハイビジョン画質で保管していたのだという。
マニアだった。
芝生改修の費用請求は5000万円に上ったが、
リーグの調停で妥協案を示し、半分の2500万円で解決を図ったという。
しかし、問題はそれだけで終わらなかった。
市民から観客削減というおとがめが来たのだ。
応援は長時間拘束される上に、ホーム勝利数も入場料までカバーできるには程遠い。
トラブルの原因は、退屈な試合をさせた芝生にも少なからずあるのだと関係者は考えていただけに、
「迷惑をかけたのは事実だが、観客削減には納得はできない」のが実情だ。
しかし、強く動員を求めることもできず、従うしかないという。
「平気でプレイヤーの意図を裏切る荒れ芝や、
入場料収入をスポイルする市及び第三セクターの姿勢に、人間不信に陥った」
会社を畳むことも考えたが、残ったサポーターのためにも続ける覚悟を決めた。
社長は、
「自分達のクラブは自分達で守らないといけない。
不測の事態に対応できるよう、しっかりと環境を整備しなければならない」
と話す。
※残業代未払い求めるドライバー「人間不信に陥る」
http://www.weekly-net.co.jp/logistics/post-8598.php