alovelog

続けられるよう頑張ります。(雑な)料理、サッカー見に行った時のこと、ランニングなどが大体の話題だと思います。

T2:Trainspottingに心抉られて今日一日吐きそうだった話

遅ればせながらトレインスポッティング2(T2:Trainspotting)をNetflixで見た。

 

公開している間(2017年春)に映画館に見に行けば良かったんだけど、1996年公開のトレインスポッティングに物凄く心を掴まれていた当時大学2年生*1の僕などは、まさかあんな刹那的なカッコよさの映画に続編が!?っていう嬉しさや驚きは感じながらも、『なんか怖くて』見に行けてはいなかった。

では公開を逃したのだから、円盤買いますかって言われたら、感じていた怖さの質(あんなにカッコよかった1の20年後を描いたとして、なんか自分の中の理想みたいなんとズレたらやだなぁとか、期待ハズレだったら俺の中のオールタイム・ベスト映画である1の価値も毀損してしまわないか?それは怖い…1最高…1好き…ていうか『T2』てなんやねん…いっそトレインスポッティングとは別のタイトルつけて評価の逃げ場残してくれや…みたいな怖さ。伝わるやろうか?わかってくれると嬉しいし、わからなくてもよい*2)の関係で購入する訳にもいかなかった。ていうか、しばらくしたら映画があった事すら忘れてた。

あの頃*3と違って、自分はもうCD屋さん(タワーレコードとかHMVとか)になんとなく出かけて「へー、こういうのが出てるんだ」とか「あの映画のサントラかー」とかもチェックしなくなって久しく*4SNSや仕事の合間のネット(ほとんどそれで一日潰してるとかそういう悪口はやめて頂きたい)ニュースなんかで知った情報を改めて現場(売り場とかですね)で再確認して頭に刻むみたいな事はもうあんまりというか皆無に近いレベルでやらなくなっていた。

「自分の生活」という川の水面を、興味から外れた多くの情報が落ち葉のようにサラサラと流れていく。それを俺は川底で苔を食んだり家族と暮らしたりといった安堵の中から見上げている。興味を持たなかった落ち葉を、特に追いかけはしない。追いかけようと一瞬身体が動くこともあるけど、でもまぁ、観なくていいでしょ。うん。みたいな、そんな気持ちでしかなかった。T2:trainspottingというのは、俺にとってその程度の認識の、きっと観ないまま済ますんだろうなという映画だった。

そしたらまぁ、契約しているNetflixに存在しておったと言うことで、なんとなーく、月曜を迎える前に軽い気持ちで、バカ勝ちした最高の試合*5の週末の休みの終わりを、嫁様と酒でも飲みながら、そうした適当な態度で期待値下げて観てみようかなと、そういう感じで視聴開始と相成った次第である。

 

2時間後、ソファから迂闊に動けない自分がいた。

 

いい映画だった。トレインスポッティングの20年後だった。あの舞台の街も20年経ってたし、社会もインフラも若者も20年経っていた。レントン、シック・ボーイ、スパッド、ベグビーも20年経っていた*6。当然役者さんだって20年経っている。そう。20年も経っているのだ。

なのに、全部が全部に20年という時間が経過しているのに、T2:Trainspottingはちゃんと*7トレインスポッティングで、そうそうこれ!こうだったよなぁ!そうだ!こういう感じ。すげー!かっけー!きたなーい!でもまぁ、そうだよな20年経ってるからなぁ、無茶するなぁ。始末悪いわぁwとか、同窓会めいた感動を覚えていたのですよ。いたのです。わかるわー!変わったけど、変わらないなぁ。これだよこれみたいな。

劇中の話が進む中で、俺の気持ちの中に何かこう、モヤモヤしたものが残る。たのしー!おもしろーい!かっこいいー!ださーい!でもサイコー!で消化し切れない、胃が動いてない時に無理に何か食べたみたいな感覚が残ってて、そうそう!こう言うよね!1がああだもんな!だよなぁ!そうだったよ!やっぱそれだよ!って思う度に気持ちの奥底に澱のようなもんが溜まっていく。劇中は面白い映画なんで感情がグルグルとかき回されてるから気にならないんだけど、途中レントン…マーク*8が旧知の人と話しをする*9、その辺の描写からグッとみぞおちに冷たい棒を押し当てられたような感じがした。

これは、「劇中の世界が20年経った事を描く事」で20年前に熱狂した旧作ファンの俺を喜ばせながら、その裏で「俺の時間」も20年経ってしまってる事、当然だがあの頃あの年齢あの立場にはもう戻れないし当然未来も人生も選べない事、確実にお前(俺)の世界は1996年から20年以上時間が経った分、先細ってる事、を、つき、つけて、来てるぞ・・・と、気がついて、物語の終わりのあと、イヤな涙が目の奥に滲んできた。

 

クソでかい大型テレビはこないだ買ったし、久々にマラソンやろうかなと低カロリーな食事も選ぼうとしてる。保険に入り、日曜大工はしないけど、ドライブ、趣味、友達、仕事、小奇麗な服、よく寝れる布団、遮光カーテン、電子レンジ、冷蔵庫、サーキュレーター、モバイルバッテリー、バタフライテーブル、抹茶味のプロテイン、洗口剤、温水便座、ソファに洗濯機、いろんなものを選んで、安定した暮らしを実現して、生活に不満はないはずなのに、それでもああ出来たんじゃないか。俺はもうこうしているしかないのかとか、後悔はしなくていいはずなのに、そんな「黒い」というよりは、手の届かない深さに落とした可能性のいくつかを、ほんとに今となっては何回でも言うけど気にしなくてもいい筈のそれを、後頭部の奥の、記憶を辿るのも今に失礼と思っている、忘れるというか気にしなくなってもう10年は経ってるだろっていう別に語るまでもない些細でしかないそんな記憶を、どんよりと己の中に再存在させるような、

 

イヤな後味の

 

20年という時間の経過を、1996年公開当時に巻き込んだすべての人間に対して、これでもかと突きつける、

 

最高のトレインスポッティングの続編、T2:Trainspottingでした。

 

俺みたいな感覚でこれを観てない、当時トレインスポッティングに熱狂して何回も映画館行って観たし*10DVDでも観たわ~!今ももしかしたら観るわ~!みたいなスパッド好きの紳士諸君*11は是非観て、俺みたいな感想を得るか「彼らは20年経っても彼らだなぁハッハッハ」とか大上段から笑い飛ばせる立場からの感想を得るかしてみてくれ。*12

 

(二度と観たくないぐらい今日は一日しんどかったけど、めちゃくちゃ面白かったしカッコよかったしいろいろ完璧だったんで、円盤は買います:ニッコリ*13

 

じゃあ、明日も生きていこうな!チャオ!

 

*1:では翌年1997年に3年生になれたかというとそれは別の話だし、そういうのはこの項で書こうとしている本筋に関係ないのでよくないと思います(半ギレ)

*2:唐突のゲームブック口調

*3:1996年~2000年ぐらい

*4:もう10年ぐらいはしていない

*5:2019J1リーグ第3節札幌5-2清水

*6:ダイアンも!!!

*7:ちゃんと???ごめん。でもそんなふうにしか言えない。

*8:レントン、シック・ボーイ、スパッド、ベグビーという名前は使われてなくて、レントンはマークだし、シック・ボーイはサイモンだし、スパッドはスパッドで、ベグビーはフランクだ。もうニックネームで呼ばないってのも、ね…

*9:シック・ボーイがパクられたので弁護士であるダイアンに相談する

*10:シアターキノとか蠍座とか、観れる限りで何回でも映画館行った思い出。毎度最後のロゴが出てくるところで鳥肌が凄い!

*11:スパッド好きは全員良いやつ。はっきりわかんだね。mixiのスパッドコミュニティのキャッチフレーズは「ウンコは漏らせ」だったんだけど、今から考えても最高ですね

*12:いけすかない俺が成り得なかった後者のような腐れ野郎(勝ち組)は、俺にカッター銭を恵んでくれると俺が喜びます。

*13:口元の吐瀉物をぬぐいながら