alovelog

続けられるよう頑張ります。(雑な)料理、サッカー見に行った時のこと、ランニングなどが大体の話題だと思います。

新世紀IWATANJUBILLON-2

フンフンフーン フンフフフーン フンフンフーン フフーン…♪(Amazing Graceを鼻歌で)

「?」

「二部はいいねぇ。二部は心を潤してくれる。
 サッカー界が産みだした文化の極みだよ。
 そう感じないか?名波ヒロシ君」

「僕の名を?」

「知らない者はないさ。
 失礼だが、君は磐田の現状をもう少しは知ったほうがいいと思うよ」

「そうかなぁ…あの、君は?」

「僕はタカシ。関塚タカシ。君と同じ、仕組まれた子供。名門チルドレンさ」

…と、言うような事を書き溜めていたのでまた貼り付けていきます。

新世紀IWATANJUBILLON-1 - alovelog


【北九州、侵入】

「確認しているんだな」
「ええ、一応」
「半年前に構築されたディフェンスです。ここですね、変質しているのは」
「最終ラインか」
「拡大するとシミのようなものがあります。何でしょうね、これ」
「浸蝕だろ?中盤での阻止率が若干変化しています。
 DFラインの劣化はよくあるんです。最近」

「森下以降3人近く就任されてますから、
 またコンセプトが混ざっていたんでしょう。
 杜撰ですよ、ジュビロ磐田の守備戦術は」
「そこは、J2に降格してからの工事だからな」
「無理ないっすよ、みんな疲れてますからね」
「明日までに処理しておけ。名波がうるさいからな」
「了解」

\ビーヨン ビーヨン ビーヨン ビーヨン/

「分析パターン青、間違いなく3位よ」
「3位?自動昇格を逃したのか!」
「言い訳はいい。5位以下の可能性を物理閉鎖、POホーム開催権を死守しろ」
「N-BOXは破棄します!総員待避」
「何してるの!早く!」

\磐田を5位以下より隔離します。勝点69以上に固定。J2からは総員待避/

「分かっている。よろしく頼む …森下を止めろ」
「も、森下を停止します」
「降格だ。世代交代のミスだ。静岡新聞とフロントにはそう伝えろ」
「は、はい」
「所属リーグ更に下降!太平洋側大都市圏から日本全域へと広がっています」
「場所がまずいぞ」
「ああ、J2残留に近すぎる」




州、侵 入

「…この順位は…やばい、PO圏内に侵入するつもりです!」
「カウンターをケアしろ」
「守って、どうぞ」
「い、の、は」

「攻撃を切れません!」

「北九州、更に侵入。PO圏内に接触しました」
「だめです!4位をのっとられます!」
「ああ…」
「北九州、6位以内が確定しました!」

「今度は北九州が磐田の順位をハッキングしています!」
「くそぉ、早い!」
「なんて攻撃速度だ…!」
「攻撃モードを変更、低いラインからクロスを上げ続けて」

『了解!』

「どのくらい持ちそうだ?」
「今迄のペースから見て、2節くらいは」
J1ライセンス未所持が、敵に廻るとはな」
「…」


「彼らはカウンターマシン…J2ライセンスの所持者と考えられます」
「その個体が集まって群を作り、
 この短期間でPO圏内の確定にいたるまで、
 爆発的な進化を遂げています」
「進化か」
「はい。彼らは常に自分自身を変化させ、
 いかなるクラブにも対処し得るカウンターを模索しています」

「まさに予算規模に劣るクラブが生きるためのシステムそのものだな」
「自己の弱点を克服…
 進化を続ける北九州に対して、有効な手段は死なばもろとも…
 磐田と心中してもらうほかないわ…
 ジュビロ磐田のPO敗退を提案します」
「無理よ、ジュビロを切り捨てることは、黄金期幻想の破棄と同義なのよ」
「では、ヤマハ発動機から正式に要請するわ」
「拒否します。強化部で解決すべき問題です」
「なぁに意地張ってんのよ!」
「世代交代のミスから始まったことなのよ…」
「磐田は昔っからそう。黄金期で全部抱え込んで、若手の成長を当てにしないのね」

「…北九州が進化し続けるのなら、勝算はあります」
「ポゼッション志向の促進かね」
「はい」
「中途半端な進化の終着地点は自滅、J2残留、そのものだ」
「ならば、進化をこちらで促進させてやればいいわけか」
「北九州が死の効率的な回避を考えれば、磐田との共生を選択するかもしれません」

「目標が強化なら、磐田の余剰選手を北九州に直結、
 移籍を仕掛けてポゼッション志向を送り込むことができます。が…」
「同時に北九州に対して磐田の人員を開放することにもなります」
「磐田の昇格が早いか、北九州が早いか、勝負だな」
「はい」
「磐田までJ2に定着したら、終わりなのよ」
「約束は守るわ」

「きたっ!」

「押されてるぞ」
「なんて速度だ」
~自動昇格枠まで、後、勝点14
「いかん」
「昇格最終枠、乗っ取られます!」
~PO決勝シード確定まで、後、勝点3
「名波、急いで!」
~最終二節は、山形…札幌…
「大丈夫、一節近く余裕があるわ」
「1って…」

「ゼロやマイナスじゃないのよ」

(シーズン終了後)

「降格する前の晩、関塚さんが言ってたわ。
 磐田の癌は三種類のチーム関係者なんだって。
 外様を認めないOB、アカデミーを軽んじる役員、出向者の社長…
 その三者がせめぎあってるのが磐田なのよ。
 名門の持つジレンマをわざと残したのね。
 実は株主への説明も微妙に変えてあるのよ」

「私は野次馬だから、黄金期の詳細は分からない。
 だけど名門としての磐田は尊敬もしていた。
 …でもね、J2の磐田は憎んでさえいたの」
「今日はお喋りじゃない」
「たまにはね…
 磐田にはね、FC東京G大阪の役割が期待されていたの。
 でも最後まで名門でいる事に固執したのね。
 本当、磐田らしいわ…」



      つづく


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【磐田、負け出した後】

「どうして初戦で札幌に敗れたの?」
「ごめんなさい」
「J史上最強クラブは磐田でしょ」
「はい」
「磐田には全勝で昇格する義務があるの。分かるわね?」
「はい」
「今後、こういうことの無いように」
「はい」
「磐田ほんとに分かってんでしょうね?」
「はい」

「磐田ねぇ、なんでも適当に、
 はいはい言ってりゃいいってもんじゃないわよ!」
「分かってますよ、ちゃんと。
 もういいじゃないですか、2節で勝ったんだから」
「そうやって表面だけ二部に合わせていれば楽でしょうけどね、
 そんな気持ちでJ2戦ってたら、死ぬわよ!」
「いいですよ、そんなの」

「いい覚悟だわ~と言いたいとこだけど、
 勝ち抜けると思ったら大間違いよジュビロ磐田君」
「勝ち抜けるも何も、どうせ僕しか強くないんでしょ。
 優勝しますよ」
「成る程ね…」

「磐田にとってJ2が苦痛でしかないのなら、
 ガヤ出さない方がいいわ。絶対ガヤるもの」
「でも客寄せクラブは必要よ」



【瞬間、黒星重ねて】

「いいわね、開幕戦からフル稼動、最大戦速で行くわよ」
「分かってるよ。30節でケリをつける」
「目標、YAMAHAスタジアムに到達します」
「J2優勝シャーレ、パージ!」
「発進!」

(磐0-1札)

「磐田敗北、確認!」
「あっちゃぁ~」
「無様ね」

「ちょっとぉ~!あたしの磐田に何て事すんのよ!」
「そんな!そっちがトークショーで吹きまくったんじゃないか」
「最後にラボーナ外したの、松井でしょ!
 普段から天才天才してるからよ!
 昨日の夜だって、寝ないで何してたの!?」
「今日の戦いの為のイメージトレーニングだよ!」

「嘘ばっかし!全勝優勝しようとした癖に」
「ずるいよ砂川なんて」
「ひっど~い!藤ヶ谷が壁を作ったのにガヤったの?全勝したのね~」
「してないよ!途中でやめたんだよ!」
「J2!降格!黄金厨!信じらんない!」
「そっちこそ森下引っ張ったのが悪いんじゃないか!」

「また恥をかかせおって…」


【負と敗北】

「ねぇ、N-BOXって、どんなもの?」
「…分からない」

「…あ、降格の時さ…社長絞ってただろ?
 あれって何か、降格って感じがした」
「降格?」
「うん。何か、降格した時の絞り方、って感じがする。
 案外、磐田って、J2とか似合ってたりして。
 あは、は…」

「何を言うのよ…」




 敗 北


「ねぇ清水、降格しようか?」

 シャカシャカ
「え?何?」

「降格よ降格。した事ないでしょ?」
「うん…」

「じゃあ、しよう」
「!!…どうして!?」

「退屈だからよ」
「退屈だからって、そんな…」

「チャンピオンシップ復活の年に、
 J2で王国ダービーするの嫌?
 全国から嘲笑されるかもしれないって」
「別に!」

「それとも、恐い?」
「恐かないよ!J2くらい!」

「主力、残ってるわよね」
「うん」

「降格(いく)わよ…」

「…報道はまずされないから、録画しないで」
「~~ッッ!!」

ガラガラガラガラ ペッ

「うぇぇぇっ!やっぱ暇潰しに降格するもんじゃないわ!」

\ドカドカ/

「ほら着いたぞ!しっかりしろ!」
C大阪さん!」

「じゃあ、俺は帰るから」
「えー、C大阪さんも降格(とま)ってきなよ」
「この強化費で降格したら、笑われちゃうよw」

(凄く降格の香りがする…)

「じゃ二人とも、J2の事頼んだぞ」

「元気ないね?」
「あんたと降格なんかしたからよ!」

<翌年>
ピー
ピッ ピッ

チャカッ

「よぉ、昇格争いの調子はどうだ?」
「おかげでやっと醒めたわ」

「これがあなたの本当の居場所?それともアルバイト?」
「どっちかな」
「J史上最強クラブジュビロ磐田
 同時に、黄金期幻想からフロントが全然抜け切れないジュビロ磐田でもあるわけね」
「バレバレか」
「J2を甘く見ないで」

「高比良社長の命令か?」
「私の独断よ。これ以上個の力信奉を続けたら、死ぬわ」
ヤマハ発動機は黄金期を利用している。まだいけるさ…
 だけど、J2でも競争力が失われつつある事を隠していたのは、謝るよ」
「開幕戦のお礼にチャラにするわ」
「そりゃどうも」

「ただ、過去を彩る名門クラブもJ2に隠し事をしている」
「!?」
「それが…これさ」

「これは…川崎…いえ、まさか…」
「Jリーグ開幕前から日本サッカーの全ての要であり、始まりでもある。ヴェルディだ」
ヴェルディ!?あの第1ステージ優勝クラブがJ2(ここ)に!?」

「…確かに、J2は私が考えてる程、甘くはないわね…」



        つづく

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以上