ギックリ腰した翌日は夏
昨日何年ぶりかのギックリ腰をやらかしたが、今日は会社に行かねばならなかった。
恙無く仕事をして、帰る。
夏至から一月を迎えやんとする真夏の札幌は、いよいよ30℃超え。冷房のない部屋に住む俺には厳しい時期を迎える。在宅勤務、続けたいけど、俺は暑さにとても弱い。
学生の頃、ここでしばらくバイトしてたんだよな。仕事は面白くて好きだったけど、なんか馴染めなくて辞めた。思えば、ここにいた奴等の雰囲気に、俺が馴染まない、こういう奴らが嫌いというだけだった。今はもう、移転するそうで、青春の一コマの端っこの書き文字みたいな場所は、もうすぐ消える。
消えればいい。
残らなくていい思い出は、ある。
(視聴者から送られてくる、バカみてぇにクソ長い、マジで何も面白いところのないホームビデオから、見どころを数分に編集して抜き出す。という仕事は好きだった。マジでホントに全く何も、ビデオたちは面白くなくて、それを全部見て、編集するという、世間側からするとなんの出力にもならない、完全な無。その作業で金が貰えて、俺はというと、馴染めないバイト達の屯するキショい空間から離脱出来るんだから、それは本当に、変な、得難い時間だった。まだ覚えてるよ。野鳥を撮ったとか、これはまぁ解る。鳥はね、撮れたら嬉しい。季節モンだし。あとは、宿泊したホテルのロビーの風景。何を撮ったんだ?あと、綱引き大会。これはベストバウトがあったりして、俺だけが楽しんで、誰にも恐らく見られない綱引き'97みたいなビデオに仕上げてた:テープは使い回すので、多分すぐ消えてる)
豊平川はあの頃から流れてて、あの頃の水ではない。
今はもう2021年だ。2001年宇宙の旅の完結編かよ。
家に帰り、ぬるい風呂を沸かして、嫁様謹製ジェノベーゼソースのスパゲティを頂く。
至福……ここイタリアですか?そうですか。
ジャックダニエルのセメダインのような香りと、ガツッと来る酔いで、ふにゃっとベッドに入れたらいい。
ここは札幌。
どんなに昼間が暑くても、
この時間には、
涼しい、
ともすれば冷たい風が、
窓を開ければ、
入ってくる。
温泉いきてぇなぁ………
end