窓の外の雪煙を眺める
よく晴れた冬の昼に洗濯物を干す。窓から入る日差しが遮られ、部屋の明るさが落ち着く。ほんのりと涼しくなり、室内は少し湿気が籠もる。
何日か前に買ってあった甘いチョコレートドリンクを冷蔵庫から出して、ソファに腰を掛ける。部屋の中にはサーキュレーターとファンヒーターの稼働音がブォー、ゴー、と鳴っている。無音なのもよいが、こんな音もよい。
ストローをすする。甘い。頭の奥がどろりと沈む、不快ではない感覚に浸りつつ、少し陰った部屋の中から窓の外に目をやる。
晴れた景色の中に雪煙が吹き荒んでいた。細かい白い粒がチラチラと光り、捻じ曲がって吹く風に乗って雑にすっ飛んでいく。
距離のあるマンションの屋上から吹き散らす雪煙を眺めていると、近いところを白い粒が吹き散らして行った。きっと住んでるマンションのものだろう。
よく見れば雲の流れも早い。外はそこそこ風も強いんだろう。札幌に限った話ではないが、北海道の乾いた雪は、風が吹くと特別でもなく巻き上げられ、雪煙になる。俺はそれが、なんか好きだ。*1
近所の建設現場の音が、締め切っている窓の向こうから流れ込んでいる。ヒュッと近いところを烏が飛んでいった。部屋の中は相変わらず暖房と送風機の音が続いている。
寝てしまうでも、何かをするでもなく、ぼや〜っと外を眺めている時間。意図したわけでなく、たまたま、心と身体と環境のタイミングがバチッとハマった、そんな時間だった。
*1:※車に乗ってる時は本当に困る。