alovelog

続けられるよう頑張ります。(雑な)料理、サッカー見に行った時のこと、ランニングなどが大体の話題だと思います。

何色かわからない湯に入る

換気扇を止める。風呂の天井の排気口から外の音が聞こえてくる。

暗くした風呂は目に入る刺激が少なく、温浴による身体の心地よさはもちろんの事、心がすっと落ち着く。換気扇などを止めれば耳からの刺激も少なくなる。効果はひとしおだ。目と耳からの刺激がなくなり、スッと自分の意識のようなものに意識がクローズする瞬間は眠りに入る時に似ているが、風呂で寝てはいけない(戒め)

 

我が家の風呂は狭い。

古い建物なので仕方がないが、自分の身体がそこそこ大きい*1事も狭く感じる理由ではある。

最近は「このマンションを出るとして、次にどんなところに住みたいか」をリアルに考えるようになっていて、その為のと言うわけではないが、ワザと色んな所のスーパーで買い物をしてみるなど、自分なりに人生の一つのフェーズ移行のような雰囲気を感じている。

ともあれ、湯に浸かって半目開いてるような昼の闇風呂の間ぐらいはこんな考えは流そう。と、両手でお湯をすくい、顔を洗う。

入浴剤の香りがしたが、闇風呂なので何色かはよくわからない。香りにしても、何故か「森の香り発泡入浴剤アソート」を買っているので、大樹の香りなのか深緑の香りなのか針葉樹の香りなのか若葉の香りなのか、色が無ければ同定は無理というもの。暗い風呂の中で心中ツッコんで、少し笑った。

 

今住んでるとこは大変に古いマンション(札幌では)なんであるが、出来た当時はきっと周りの建物はこれよりも全然低く、街並みも随分と背が低かったんだろう。きっと空はまだスパイクタイヤによる粉塵でモヤモヤしていて、今みたいにスカッと冬の青空が臨めるようなものではなかったろう。それでもきっと、この部屋からの眺めに、ジワッと、震えるような感動を、ここに住んできた人達はしてたんじゃないか?そうだろう。だって、俺もここの内見に来た時、窓の外見て、ブルっと来たから。

 

身体が温まり、解れてきた。暗い中湯船を出て、息を整え、クソ冷たい水シャワーを浴びる。脱衣所のアコーディオンカーテンを開けて、明かりを入れる。それでもまだ風呂は白黒の感じが強い。明るくはない。

湯船の縁に腰掛けて、少し休み、また湯に浸かる。お湯の色は、少し青がかっていた。ように見えた。何せまだ全然暗いのだ。わかるわけもない。

ふと脱衣所のゴミ箱に捨てた包み紙でも見て確かめようかと思ったが、闇風呂の途中で些細な執着に引きずられても仕方ない。まぁ、自分は風呂に入り、気持ちがよく、湯の匂いも色も、何かはよくわからないけど、心地よさを共に与えてくれるものなのだ。それを受け容れていればいいや。と、執着しそうな気持ちを流した。

 

また水シャワーを浴びて、風呂の外に出る。

窓からは河川敷の雪堆積場に積まれた雪の上をトラックが走ってる様子が見える。面白い。

 

何やかや、やっぱこの部屋、好きだなと、そんな事を、思った。

(入浴剤は針葉樹の森の香りで、湯の色は青みがかったグリーンだった)

 

*1:185cm、83kg←痩せるどころか増えてる!!!