【汁】切って焼いて水入れて煮て味をつけろ
何もしたくない、考えたくないって日はあるよ。俺にはある。きっとお前にもあるだろう。
何もしたくない。コンビニに行くのもダルい。食いに行くのもダルい。食いに行ったら後悔しそう。でもメシ作るのはダルい。何を作ればいいか考えたくない。いやだ。何もかも嫌だ……
……やろうか。
何も考えない、『汁』を。
(『汁』の概念についてはこちらをご覧ください)
今回の『汁』、ダシすら取らない。
肉(この日は豚こま)を千切って、ネギ刻んだのと、大根に少しついてる葉っぱを刻んで、ごま油で炒める。塩コショウ?要らねぇ*1
水を適当に流し入れろ。適当だ。沸騰してきたらアクが出る。一応取っとけ。
鍋の火は弱くしとけばそんな細かく見なくてもいい。いずれ沸騰する。それまでは冷蔵庫の残り野菜を刻め。急ぐなよ。お前の安全が料理においては何より大事だ。俺はお前を大事にしないお前は大っ嫌いだ。お前を大事にしろ。俺との約束だ。
水は足りなかったら足せばいい。刻んだ野菜を入れて沸騰するのがよい。野菜は基本的に甘みを出す。この段階でこの鍋の汁はうまいし甘い。楽しくなってきた。
味噌多く、少し醤油、塩、気持ち程度の砂糖かみりんがあっても良い(甘さはコクに繋がるが、野菜の甘さはそれはそれで爽やかだ)炒めた肉が挽き肉だったら、脂と甘さはもっと出てるはずだ。塩少し、醤油少し、あとは味噌の順番でいいだろう。気休めに料理酒を入れてもいいな。
どうせ違いはわからん。
ネギの青いとこ刻み直してぶちまけて、胡麻を散らして出来上がりだ。炊いた米と貪り食え。お前が一人なら、いや、家族とでも、白飯をブチ込むと絶対にうまい。やっちゃいけない事なんか、ねぇんだよ。
あと、テーブルで赤唐辛子や胡椒、麻辣ペッパーなど捻ってもよい。何をしてもいい。お前は全て許されているぷり。*2
木のお椀でもあればよかったが、無いもんは仕方ない。クソほどうまかったぞ。お前もやればうまくなる。やってみたら良い。(当然の権利のように最後はご飯入れて、更にはそこにふりかけかけたりして食べた)
さっきも書いた通り、肉は豚の中でも油の多いところか、挽き肉が良いぞ。ヘルシー?店で食わん段階でヘルシーなんだよ。変に気を回すな。今は汁でご飯を食べろ。身体を温かくするんだ。
翌日は残った汁にガラムマサラを入れてカレー風にした。
やればうまい形にはなる。
あとはお前がお前の『汁』を見つけられたら、それが一番いいんだよ……